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2009年7月号

 

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事務所通信

2009年7月号

試用期間の書面化を!!

 

 総務省の発表によりますと、4月末の完全失業率は5%で、346万人となっています。100人に5人が完全に失業という高い率であり、有効求人倍率も0.46と過去最低の率であります。
このような厳しい状況なので、就職しても残念ながら間もなく退職するというケースが多々あります。ですので、雇い入れてから3ヵ月以内に退職する場合の注意すべきことについて述べたいと思います。
雇い日から3ヵ月は試用期間として設け、それを口頭で伝える企業が多いと思います。
この期間中に、3ヵ月後も継続して雇用するかどうか判断することになりますが、トラブルを防ぐ方法として、試用期間を設けた場合は『試用期間確認書』を取り交わす必要があります。
と云うのは、簡単に雇い入れたとしても、3ヵ月以内に雇用を中断すると(例え3ヵ月以内の解雇であっても)解雇予告手当として30日分の手当を支払わなければならなくなりますし、更に車の燃料代や、発言で名誉を傷付けられたからと慰謝料を請求された企業もあります。
最初から10日間とか今月いっぱいと云って採用する場合は良いのですが、それ以外で、簡単に、とにかく猫の手も借りたいところだからと安易に採用すると、大変なことになり兼ねません。
やはり、『試用期間』を書面化しておく必要があります!!

≪注意!!連絡してほしいこと≫
年間売上(収入)金額が5,000万円以下の事業者の殆んどは、消費税を簡易課税方式で申告納税していますが、将来大きな設備の購入や工場の建築をする計画がある場合には、消費税の申告を原則課税方式にした方が、消費税が還付される等、有利になります。
その計画を実行する事業年度の開始する以前に当事務所に連絡して下さい。
※設備の購入や工場建築が始まってからでは適用になりません。

会長 神谷 勇雄

貸借対照表にも目を向ける

 

 とある建設会社Aの話です。この不況時にも関わらず、A社は社長以下の努力により、約2千万円の利益を計上することができました。損益計算書を見ると、以下のような状況でした。(概要抜粋)

 

売上高 10億円
売上原価・一般経費 9.8億円
利 益 0.2億円

 

公共工事や民間工事がことごとく激減している中で、利益を計上することは至難のことですから、損益計算書から見ると、このA社の頑張りが良く解ります。

損益計算書は解りやすい

 

損益計算書は、売上高から


1.売上原価(売上をあげるために直接要した費用・材料費や外注費など)
2.販売費・一般管理費(会社運営のための費用・事務員給料や広告費など)
3.営業外費用(本業以外の付随的業務費用・支払利息など)
4.特別損失(臨時の支出・特別な支出・火災損失など)


の各種費用を段階的に控除し、最終の当期利益を計算する仕組みになっています。売上高や利益は経営者にとって一番の関心事ですし、仕組みも一連の流れになっているので、解りやすい決算書・財務諸表といえます。

A社の課題

 

A社は、利益は計上しましたが、他に大きな課題を抱えることとなりました。とある工事で約2億円の工事代金が回収できず、結局、お施主の所有する広大な土地を換わりに受け取らざるを得ないこととなりました。このため、A社は資金が2億円入らず、資金繰りがピンチに陥ってしまいました。

まさに「勘定合って銭足らず」の状況です。利益は出ているのにお金が無いのです。

貸借対照表にも目を向ける

 

貸借対照表は、資産や負債の勘定科目が羅列的に金額と共に記載されています。損益計算書のように、流れが無いので解りにくい決算書・財務諸表といえます。

しかし、A社の事例では、資産である土地が2億円も増加していることにより、大きな変化があることに気づきます。そこに注目し、原因を探ることにより、財務の改善の糸口を見いだすことができます。

貸借対照表は会社が保有する資産や負債を表示していますから、「当社は売上の割に売掛金が過大で回収に問題があるなあ」とか「支払手形の金額が大きいから、今後の資金繰りが心配だ」などの問題発見をすることができます。自社の貸借対照表を見てみましょう。何かが発見できるはずです。

社長 神谷 正紀

日本版グリーン・ニューディール政策について

 

100年に1度といわれる経済危機に直面している中で、様々な景気対策が行われていますが、中でもエコ化、グリーン化政策に注がれる予算は100年に1度をいうよりも日本の今の財政状況を考えると空前絶後ともいうべきものかも知れません。個人を中心とした政策はマスコミで盛んに報道されていますので、会社が実際に利用できそうな制度を中心にまとめてみました。

エコカー新車購入補助制度

 

エコカー減税については5月号で紹介させて頂いたとおりですが、それにプラスして環境対応車の購入補助金制度が設けられました。

エコカー新車購入補助制度 乗用車 乗用車 トラック
バス等
トラック
バス等
トラック
バス等
登録車 軽自動車 小型
(3.5tクラス)
中型
(8tクラス)
大型
(12tクラス)
車齢13年超廃車
→一定の環境性能車
25万円 12.5万円 40万円 80万円 180万円
廃車なしで一定の環境性能車 10万円 5万円 20万円 40万円 90万円

 

 乗用車については盛んにCMでアピールされていますが、トラック・バス等についても対象になるものがあり、しかも金額も大きいのでバカにできません。今のところH22.3.末までの制度ですが、3,702億円の予算が無くなり次第終わってしまうということです。

 ちなみに会計上は元々の購入額で資産計上して、補助金は雑収入(消費税対象外)で処理をします。多額になる場合は国庫補助金等で取得した資産の圧縮記帳という制度の利用も選択肢としてはあります。

エネルギー需給構造改革推進投資促進税制の拡充

 

 だいぶ長い名称ですが、特に利用が多そうなのは例えば、太陽光発電装置を新規に購入して利用すると、初年度で即時償却できる制度です (H23.3.末まで) 。平常時ではありえない制度ですので、赤字にならない見込みの会社は、将来の電気代の節約の為にも、売電価格が2倍になりそうなので、検討する価値はあるのではないかと思います。ちなみに自治体等の補助金については、ほとんどは個人を対象としたものになります。また、太陽光発電装置が普及して価格が下がる可能性もあります。

エコポイント制度

 

 統一省エネラベル4☆相当以上のエアコン、冷蔵庫、地デジテレビを購入すると、商品・サービスと交換可能なエコポイントが取得できる制度(H22.3.末購入分まで)です。とても複雑な制度で、税法では領収書の原本保管義務があるのに、領収書の原本の提出が求められたり、1ポイント1円で換算できなかったり、会計上も悩ましい制度です。

 1円超で交換できるものに身近なところでは、い〜なちゃんカードやつれてってカードのチャージ等は1000点が1100円分になるそうですが、理論上は現金同等物として期をまたぐと雑収入として資産計上しなければならないと思われます。会計上は経費/雑収入で処理ができれば損益上はいってこいなので、早めに物に交換して頂いた方が得策であると思います。 

宮島 勲

「経済危機対策」における税制改正

 

平成21年6月19日の国会で、税制改正法案が成立しました。今回は追加経済対策の減税措置として改正された項目は次の3点になります。

住宅取得等のための贈与税の軽減

 

平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に20歳以上の者がその直系尊属(父母、祖父母など)から受ける住宅取得等のための金銭の贈与については、当該期間(2年間の合計)を通じて500万円までは贈与税を課さないこととされました。この特例は暦年課税又は相続時精算課税の従来の基礎控除又特別控除にあわせて適用が可能とされています。

 

 

(注1) 住宅ローンの返済や土地のみの取得の資金に対する贈与には適用できません。

(注2) 贈与を受ける人単位で2年間の合計が500万円までは非課税となります。

つまり、父から500万円、母から300万円の合計800万円の贈与を受けたとしても、非課税となるのは500万円までとなります。また、父から平成21年に300万円、平成22年に400万円の合計700万円を受けた場合でも、500万円までが非課税となります。

(注3) この適用を受けるには、非課税枠内でも贈与税の申告が必要となります。

中小企業の交際費課税の軽減

 

中小企業(資本金1億円以下の法人)に係る交際費課税について、平成21年4月1日以後に終了する事業年度から、定額控除限度額を年400万円から年600万円に引き上げられます。

(注1)支出額(定額控除限度額以下)の10%の損金不算入は変更ありません。 

研究開発税制の拡充

 

試験研究費の総額に係る税額控除制度等について、平成21年度と22年度において、税額控除ができる限度額が、当期の法人税額の20%から30%に引き上げられます。また、平成21年度と22年度に生ずる税額控除限度超過額について、平成23年度、24年度において税額控除の対象とすることが可能となりました。

(注1)平成21年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。

中島 千博

 

 

 

 

 

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