2011年10月号
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かけはし 2011年10月号
資金繰りのツボをおさえる
景気がなかなか浮上せず、先行き重苦しい要因ばかりが目につくこの頃です。中小企業の社長さん方の日々のご苦労・頑張りには頭が下がる思いです。
ただし、この苦境を乗り切るためには経営のルールを知ることが必要です。今回は日々の経営の重要な要素である資金繰りの注意ポイントについて述べることとします。
1.利益と借入金の関係
企業が資金不足に陥る主要な要因は、利益の金額以上の毎月の借入金の返済です。いくら黒字であっても、その金額以上の借入金の返済が続けば、いずれ資金は底をついてしまいます。黒字倒産というものの典型例です。
黒字倒産を避けるためには、月々の返済額を利益の金額の範囲内におさえることが重要です。自社の試算表や決算書を見れば利益の金額は分かりますから、借入金の返済額との関係を一回ご覧になってください。
2.良い資金不足・悪い資金不足
資金不足の状態に良いも悪いもありません。
不足状態であれば倒産の危険性もあるので悪いに決まっています。要は資金不足に良い原因と悪い原因があるということです。
(1)悪い資金不足の原因
悪い資金不足の原因とは、皆さんご存知のように経費が収入を上まわり赤字に陥って資金不足になる状態です。この状態が継続するようであれば、いずれ企業は倒産の憂き目にあってしまいます。
(2)良い資金不足の原因
たとえば、いくら儲かる仕事であっても、急激かつ多額の受注を受けると資金繰りを圧迫します。一般には仕入や外注などの費用の支出が先行し、売上代金の入金は後になります。よって、受注金額が多ければ多いほど先行支出が多額になり、資金繰りを圧迫するのです。
ただし、これは良い資金不足の原因ですので、メインバンク等との情報交換を密にして短期の資金を導入するなどの対策を講じておくことが必要です。
3.商売方法の変更による資金不足
製造業等で見られる資金不足に陥りやすいのが商売方法の変更による資金不足です。
たとえば、材料代込みの受注方式から加工賃のみの受注方式に変えると、入金額が材料分減ります。目先の資金繰りで見ると入金額が減ってしまうのです。近年の金属材料などの値上がりのリスクを避けるために加工賃のみの受注方式に変更すると値上がりリスクは回避することができますが、資金繰りのリスクは増加することとなります。
4.資金繰りの大切さ
中小企業にとって資金繰りは、ある面では利益以上に重要な経営要素です。「苦しいな」「大変だな」と感じたら、是非担当者を通じてご相談ください。
心配で心配で夜も眠れない!!
最近人に会うと、「仕事が少なくなった」「売上が減った」「利益が上がらない」「借入金の返済が容易ではない」という声を多く耳にします。
その通りで、最近の経済情勢では多くの人や企業が同じような苦しみを味わっています。
その中で毎日頑張っている人に対して、「大変だね」と敬意を払い、又、「体を壊さないように頑張ってネ」と言っているのですが、その時に私は言うのです。
(1) いくら心配しても、くよくよしても、只それだけでは問題は好転しない
(2) 体にも精神的にも良くない(=胃腸を壊す)
(3) 不機嫌では当然家族にもあたる
(4) 家庭内の空気も悪くなる
(5) 自然と従業員への接し方もきつくなる
どれを取っても良いことは一つも無いのです。
だから、気持ちを大きく持って、上を向いて、一つ一つ頑張って行い、その中で「良くなるサ」というある程度開き直った気分を持つことも大切だと思います。
然し、体が基本であるので、体だけは十分注意しなければなりません。
そのためにはドンドン食べて、どんどん飲んで(酒ではない)、よく寝て、元気を出して、明日からの仕事をやっていくのです。夜が明ければ朝が来るし、朝になれば陽が出るし、雨が止めば天気は良くなるのです。そんな気持ちで私は毎日を迎えていますが、皆さんは如何ですか。
断固として行えば鬼神も之を避く
(昔の軍隊の言葉)
固い決心を以て行えば、どんな困難なこともできる
年末調整の準備をはじめましょう
これからの時期は年末に向けて、お金の回収や支払等、やるべきことはたくさんあります。特に給与を支払っている役員、従業員に対する「年末調整」も控えていますので、スケジュール管理は普段以上に大切な時期となります。年末調整の計算自体は12月に行いますが、今から準備をはじめましょう。
12月までに行っておきたいことは・・・
1.年末調整の対象となる人の確認
ご存知の方も多いかと思いますが、念のため確認してください。
対象となる人 |
対象とならない人 |
---|---|
□源泉徴収税額表の甲欄適用者 □本年中の給与総額が2,000万円以下の人 |
□源泉徴収税額表の乙欄・丙欄適用者 □本年中の給与総額が2,000万円を超える人 □本年の途中で退職した人 ・・・など |
2.書類の準備
不足資料は国税庁HPよりダウンロードして利用できます。
3.対象者へ配布
控除対象扶養親族が今年から変更されています。配布の際に一言添えてあげてください。
4.資料の回収
期限をもうけて回収にあたりましょう。
5.書類の確認
回収するべき資料 |
確認するべき内容 |
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□配布した資料 □必要な控除証明書の添付 □住宅ローン控除(2年目以降)適用者 ・住宅借入金等特別控除申告書 ・年末借入残高証明書 □年の途中入社者 ・前職の源泉徴収票 |
□控除対象扶養親族 16歳未満の扶養控除はありません!!(障害者除く)
□配偶者の所得
□住所、配偶者、扶養親族等に異動の有無 |
年末調整の対象となる人を確認し、回収すべき資料を確認し、必要となる書類が添付されていることで、スムーズに計算に入れることでしょう。
※22年分の年末調整の際に控除した扶養控除等に誤りがあると見込まれる方について、年末調整を行った源泉徴収義務者に対して「扶養控除等の控除誤りの是正について」の照会文書が税務署から税務署から発送されるそうです。もし届いた場合にはご連絡ください。