税理士/長野県上伊那郡を拠点として活動する税理士法人さくら中央会計/宮田村、伊那市、駒ヶ根市

 

2012年7月号

 

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事務所通信

2012年7月号

借入金について考える

 

 先日、顧問先のA社から電話が入りました。「社長がちょっと大病で入院することになりました。社長は営業のトップですから売上の大幅な減少は必至です。当社は借入金も多く、返済が困難になる可能性があります。どうしたらよいでしょう。」という内容です。確かにA社は社員数名の小企業であり、社長が支えているようなものです。

売上が減った場合、同じ割合で借入金も減れば良いのですが、売上だけが減った場合、資金繰りが一気に苦しくなることがあります。今月は借入金について考えてみます。

借入金の重さを知る

 

 企業経営に借入金は不可欠な要素です。ただし、調達するときは良いのですが、返済する段になると、借入金の返済額が多額ですと毎月の資金繰りを圧迫しますし、利息は利益を圧迫します。やはり、適正額の範囲内に留めておくべきです。それでは適正額はどの位かというと以下の表のようになります。

 

借入金の金額が 経営の健全さ
月商の3ヶ月以内 企業経営は健全
月商の4ヶ月以内 普通
月商の5ヶ月以内 黄色信号が灯る
月商の6ヶ月以内 赤信号が灯る

 

 企業の中には年商と同じ程度の借入金がある企業がありますが、この表から見ると資金繰りは相当苦しい事が想像できます。

 また、借入金を調達しようとする場合、売上増が見込めるなら良いですが、不動産購入などで売上は増えないが借入金は増えるという場合、金額によっては資金繰りが一気に苦しくなる場合もありますので注意が必要です。

借入金は麻薬?

 

 借入金を調達する時は楽です。日々の資金繰りの苦しさから解放されるからです。ただし、返済することは大変です。たとえば1千万円という金額は大金ですが、チョッとした規模の企業ならば普段の資金繰りの中で溶けてしまいます。

 一方、1千万円の利益を生み出し、借入金を返済することは大変なことです。例えが良くないかもしれませんが、麻薬も使う時は気持ち良いと言いますが、切れてくると大変な苦しみがあるというのと似ている感がします。

資金が足りないと安易に借入金に頼ることなく、踏ん張る ことも大切 です。

借入金の圧縮を考える

 

 借入金を少なくするには、利益を計上し毎月返済するのが常套手段ですが、不動産や有価証券、その他の換金できる資産があるならば売却し、その資金をもって借入金を圧縮するのが賢明です。

自社の決算書を見て、自社の借入金の多さの判定と圧縮できる資産が無いか検討してみましょう。

 

 

想定外のリスク

 

 昨日まで健康な人が急に風邪をひいたり、インフルエンザにかかったり、ガンが発病することはある。そうならない為に予防マスクを着けたり、手洗い、ウガイをしたり、予防接種や健康診断をするわけだ。

 企業も同じで これまで問題が無かったからこれからも絶対大丈夫 という根拠なき自信は妄想に過ぎない。
想定外のリスク は地震、雷、火事だけでは無い。

 昔のように義理人情を大切にする時代とは変って、取引先にしても社長や係が替ったり、事情が変れば、急に取引を停止されたり、当社に不利益なことでも、それが嫌なら取引停止になったりすることは時々見られる。

 だから 安全性を維持するために、取引先を1社にしぼらず数社以上持つようにしたり、1社が固いから有利だからと 取引割合を絶対的に多くすると運命共同体になるので、避けたりする。

 また個人の財産にしても財産3分法と言って、預金現金投資有価証券不動産 それぞれ3分の1づつにして保有 すれば経済がどう変化しても安全だと言われる所以である。

 何時、何が起こるかわからないのが、自分の体、家族だけで無く、企業の経営にしても頭に入れておかなければならない。

 さりとて今の経済情勢下では人員、物、資金繰り等で余裕を持って経営している中小企業は少なく、大部分はその日暮らしと言っては失礼になるが、大体 1杯1杯に経営しているのが実態ではないかと思う。

 だから1歩ツマヅクと 忽ち バタット倒れる危険性がある。

 それ故、想定外なリスク(頼りにしていた人が急に退職したり、いろいろの条件、問題等)を想定内にして、次の2の手、3の手を常に頭に置きながら毎日の企業経営に当たらなければならないと思う。

 

治に居て 乱を忘れず

 

固定価格買取制度がスタートしました

 

 7月1日より「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」がスタートしました。再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス) は、CO2をほとんど排出しないという環境面のメリットから注目されています。ただ、コストが高いなどの理由からなかなか普及が進んでいません。

 そこで、再生可能エネルギー源を用いて発電された電気を国が定めた価格で電気事業者(電力会社)が買い取ることを義務付けた制度です。

 

 

ビジネスチャンス到来!?

 

 今年度にスタートした太陽光発電施設に関しては、向こう20年間、1キロワット当たり42円で買い取ってもらえることが約束されており、この42円という買取価格は、発電事業者の意見を尊重してちゃんと利益が出せるようにと決定された額になります。

買取価格は基本的に年度ごとに見直されるそうですが、建造コスト等の実績を聞いて翌年度に反映、いったん決定が下った価格・期間は当初の特定契約の内容で"固定"されます。

普及させるためとはいえ、かなり手厚く保護されている印象です。発電事業者からすると、ビジネスチャンスとなります。

 ただ、電力会社が発電事業者から買取るためのコストは、電気料金に上乗せされる形で、最終的には消費者が負担することになります。

 

 

 

 

 

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