税理士/長野県上伊那郡を拠点として活動する税理士法人さくら中央会計/宮田村、伊那市、駒ヶ根市

 

2012年10月号

 

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事務所通信

 

かけはし 2012年10月号

座して死を待つことなかれ

 

 A社は公共工事中心の土木建設業で、私どもとお付き合いして6年ほど経ちます。当時は年間売上高が7億円に対し、借入金が5億円(いつもお話ししているように年商の半額を超えると資金繰りが大変苦しい。)もあり、利益も実際は赤字状態でした。

 私どもはA社の経営改善の依頼を受けて再建計画書を作成して金融機関に提出したり、計画と実績の検討会を実施するなどして、経営改善に努力してきました。

 A社も、幹部や一般社員も含めて、原価・経費の削減や工期の短縮などの検討・努力を重ね、びっくりすることに翌年から利益計上できるようになりました。ここ2〜3年は大型工事を受注できた効果もあり、一千万円以上の利益を計上しています。

金融機関からの後押し

 

 企業再建の必要のある企業のうち、実際に再建できるのは1〜2社、何とか生き延びていくことができるのが6〜7社、結局倒産してしまうのが2社程度と言われます。ですからA社は再建対象企業の中ではとても優秀と言えます。

 そんなA社に先月、朗報が入りました。メインバンクから劣後債(借入金の返済順位が一番後の借入金、金利は大変低い。)を提案されたのです。劣後債が導入されれば、毎月の支払利息は大幅に減りますから、A社の会社再建に弾みがつきます。

A社の優れた経営体質

 

 A社がメインバンクから劣後債の提案を受けたのは、自らの経営改革に努力し、多額の成果・実績をあげたことが認められたからです。では A社の経営は どこが 優れていたのでしょうか。
日頃のお付き合いの中から私が感ずるところは、

  1. 社長のみならず 幹部社員も社長と同じ感覚・責任工事利益の獲得に努力した。
  2. 現場の社員も工期の短縮や工事機械の利用方法に知恵を出し改善に努力した。
  3. 経営改善の実行への取り組みが早く、とにかく実行している

三日坊主でもやってみる

 

 経営を改善するには様々な障害がありますし、継続するには相当の努力が必要です。ついつい、絵に描いた餅になってしまったり、三日坊主になってしまったりします。ただし、物事は実行してみなければ成果はあがりません。やってみて、上手くいかなければ修正すればよいのです。

 A社が再建への道を確実にあげている第一の要因は実行力とスピードだと思います。
中小企業の中でも成功している企業やA社のような企業が実際にあります。景気の悪さなどの責任にすることなく、良い企業作りを目指して頑張りましょう。

 

 

 

 

人に何を与えられるか

 

先日、TKCの生涯研修会で 中村文昭さん((有)クロフネカンパニー)の講演会に出席させていただきました。以前、録音で聞いたことがありましたが、本人から直接聞くことで素直に受け止めることができました。


その中で、特に印象に残ったことがあります。

  1. 返事は0.2秒
  2. 頼まれごとは試されごと
  3. できない理由を言わない
  4. 今できることをやる

 

見出しを見ただけでも内容が想像できると思いますが、少し説明したいと思います。

 

  1. 「返事は0.2秒」とは、仕事などを依頼された場合にノーという返答はありません。素直な心で、即座に返事をすることで相手の心をつかむようにしたいということです。
  2. 「頼まれごとは試されごと」ですが、人からものを頼まれるということは、自分が試されていると思い、相手の予測を上回る対応(たとえば、期限を2週間もらっていれば、それを1週間で仕上げることなどです。)をすることで依頼者やお客様などに喜んでいただいたり、感動を与えることです。
  3. 「できない理由を言わない」とは、何か新しい困難なことや面倒なことをしようとするときに、往々としてそれができない理由をいくつも列挙して諦めようとしたり、やめようとする理由を考えますが、大抵のことはできないのではなく、やらない結果できないのです。できない理由を考えず、どうしたら出来るようになるか考え実行することが重要です。
  4. 「今できることをやる」とは、そのうちやるという姿勢では、そのことは永遠にやらないことになってしまうので、とにかく動き出すということです。

 

  どれも、様々な場面でよく言われることですが、今回あらためて、自分自身にあてはめ、今後、お客様のお役に立てるよう実践したいと考えさせられました。

 中村文昭さんの講演は、ご自身の体験を面白おかしく、また感動を交えて語られていて、人との出会いの大切さや、さらに仕事や生き方に対する姿勢に気づきを与えてくれるもので、非常によいものでした。

 

 

年末調整の準備をはじめましょう

 

 年末が近づくと、従業員がいる事業主や会社にとって大きなイベント「年末調整」が待ち受けています。年末調整の計算自体は12月に行いますが、今から準備を始めましょう。

〜11月末までに行っておきたいこと〜

 

@ 年末調整の対象となる人の確認

 

対象となる人 対象とならない人
・源泉徴収税額表の甲欄適用者
・本年中の給与総額が2,000万円以下の人
・源泉徴収税額表の乙欄・丙欄適用者
・本年中の給与総額が2,000万円を超える人
・本年の途中で退職した人      など

 

A 書類の準備

 従業員に配布する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」、「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」が足りない場合は、国税庁HPからダウンロー ドして利用することができます。

 

B 対象者への配布と説明

今年から改正されている点(下記参照)がありますので、配布の際にお知らせしましょう。

 

C 書類の回収

回収期限を決めて、スムーズに年末調整が行えるように段取りをしましょう。

 

D 回収した書類の確認

 

 

回収する書類 確認する事項
・記入してもらったAの申告書等
・控除証明書(生命保険料・地震保険料)
・住宅ローン控除(2年目以降)適用者
住宅借入金等特別控除申告書
年末借入残高証明書
・年の途中で入社した人
前職分の源泉徴収票

・申告書等の記載内容(住所・控除額等)

 

・控除対象扶養親族

 

・配偶者の所得          など

 

 

今年から改正された点があります 〜生命保険料控除が改正されました〜

 これまでの一般生命保険料控除と個人年金保険料控除に加え、介護医療保険料控除が新設されました。計算方法や控除限度額も変更されていますので、注意しましょう。

 

損得で動く人と心から動く人

 

人間には、人が行動(仕事)をする動機として

  1. 外発的動機
  2. 内発的動機  がある

 

  1. 外発的動機とは、命令されたから、怒られるから、立場があるから 等 、仕方なく動くことで、こういう人は指示、命令されたことは機械的に動くので短期的には有効だが、自分からの発想や意欲をもって仕事をしない人をいう。 だからこのような人には、所謂、馬ずらに人参を見せるか、アメとムチを使って仕事をさせることになる。
  2. 内発的動機とは、上から言われずとも自分から自発的、積極的に行動し、仕事を達成することで楽しさや満足感を得て行動することをいう。
    この典型的なのは、自分の趣味や道楽であるが、仕事は趣味道楽ではないので、何時も馬ずらに人参、というわけにはいかない。

 

 そのためには、今やっている仕事は何の仕事なのか、社会にどう役立っているかを知らしめ、その中で義務感、責任感、よろこびを自覚させたり指導によって、内発的動機を助長させなければならない。

 

 

 

 

 

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