2014年5月号
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かけはし 2014年5月号
給与をあげると社員のやる気がでる?
大企業では「ベースアップや定期昇給をした」などの給料に関する話題がマスコミを賑わしています。一方、私ども中小企業では賃上げなどとても困難な財務状況の会社も多いのが実情です。
先日、顧問先のある社長さんから相談があるというのでお邪魔してみると、社員から「ここ何年も賃上げをしていないので生活がとても苦しい。よって何とか賃上げをして欲しい。」という要望を受けたが、どう対処したら良いだろうか。というものでした。 給与はとてもデリケートで難しいテーマです。ある社員にはうまくマッチしても、他の社員にはマッチしないなど様々な要因が絡んできます。
ハーズバーグの動機づけ・衛生理論 を ご存知ですか
アメリカの心理学者のハーズバーグが提唱した人間の欲望とやる気の関係を研究した考え方です。簡単に言うと、人間が満足感を感じたり、非常に不満を抱いたりする要因には2種類があるというもので、その内容は
満足要因 ・・・ ある要因が満たされると非常に満足感を抱くが、満たされなくても余り不満は感じない。
不満足要因 ・・・ ある要因は満たされても満足感は余り感じないが、満たされないと強く不満を感じる。
という2種類があり、給与は不満足要因に該当するというのです。
すなわち、「給与は上げたからといって余り満足感は感じないが、賃下げされたりすると強く不満を抱く要因である。」というのです。
なんとなく合点がいくように思います。経営者の社員を思いやる気持ちから、精一杯の賃上げをしても数カ月すると、その給与は当たり前の金額になってしまうが、賃下げされると長期間そのことを不満に思い続けることが想像できます。給与と同じ不満足要因には、会社の経営方法や管理・監督技術・同僚や部下との人間関係などがあります。
社員をやる気にさせる満足要因には何があるか
会社を活性化するには、上記の不満足要因を取り除くよりも満足要因をいかに与えることができるかにかかっています。
満足要因には次のようなものがあります。
などです。
社員が仕事に興味を覚え、かつ有益に人材に育て上げていくためには 『成果への満足⇒より高い成果への挑戦』の図式を作り上げることが大切です。これらの人間の欲望とやる気につながる図式を理解したうえで、賃上げの希望に対処することが必要です。
労働分配率
以前、お客様の社長様より自社の労働分配率を出してほしいと言われました。よく耳にする言葉ですが、内容を正しく理解されている方は少ないかもしれませんので、ここで少し説明させていただきます。
労働分配率を計算式で表すと、
労働分配率 = 人件費 / 付加価値
と なり、
会社の作り出した価値が、どれだけ労働者に分配されたかをあらわします。
計算式中の人件費は、なんとなくわかっても
付加価値とは何かと思われると思います。
付加価値とは、企業自身が新たに作り出した価値であり、豊かさを測る指標です。
付加価値の計算方法は、いくつかあり、代表的なものは日本銀行方式(集計法)と中小企業庁方式(控除法)ですが、私自身は、日銀方式がわかりやすく感じるので、その計算式を示します。
【 日銀方式 】
付加価値
= 経常利益+人件費+地代・家賃+減価償却費+他人資本利子+租税公課
となります。
労働分配率の関連指標として、
一人あたり人件費
= 労働分配率 × 労働生産性 となります。
給与を増やそうとすれば、労働分配率か労働生産性を上げる必要があります。
労働分配率の適正水準は、業種や業態、企業規模によって異なりますが、労働生産性を上げることで給与を上げてゆき、労働分配率は減少していくような状態になるのが、従業員にも企業にも理想といえます。
どのようにして付加価値を増大させるかが企業にとって大切なことになります。
人には笑顔
人から少しの物でも頂くと嬉しいものだ。
だから、近江商人の「商売の十訓」の中にも、「他人から紙一枚でも頂くと お客は喜ぶが、もし、その時に何もやる物が無かったら 笑顔を景品にすれば良い」 と言っている。
難しい顔をして応対するよりも、笑顔で応対することの大切さを教えている。
話は違うが、私の接する人でも、本人はだまっていても 中に入って聞けば、10人のうち9人までは心配事や悩み、苦しみを抱えているが、我慢して顔や態度に出さずにいるように思う。
しかし、中には機嫌が良い時と悪い時では、手の平を返したように極端に変わる人もいる。 そうでは無くて人に接するには、やさしく 出来るだけ笑顔で接したいと思う。
消費税関係の改正
4月は増税への対応などで、慌ただしくあっという間に過ぎたと感じた方も多かったのではないでしょうか。さわやかな風が吹く5月、改めて気になる消費税情報を中心にお届けしたいと思います。
1.簡易課税制度のみなし仕入率の見直し
改正の内容
簡易課税制度のみなし仕入率について、金融業及び保険業を第四種事業(60%)から第五種事業(50%)に、不動産業は第五種事業から新設の第六種事業(40%)へと引き下げられました。
適用期日
平成27年4月1日以後に開始する課税期間について適用されます。
該当する事業 | 卸売業 | 小売業 | 製造業等 | その他 事業 |
金融業及び 保険業 |
サービス業等 | 不動産業 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
改 正 前 |
事業区分 | 第1種 | 第2種 | 第3種 | 第4種 | 第5種 | ||
みなし仕入率 | 90% | 80% | 70% | 60% | 50% | |||
改 正 後 |
みなし仕入率 | 90% | 80% | 70% | 60% | 50% | 40% | |
事業区分 | 第1種 | 第2種 | 第3種 | 第4種 | 第5種 | 第6種 |
2.課税売上割合の算定方法の見直し
改正の内容
消費税の課税売上割合の計算上、有価証券の譲渡と同様、金銭債権(資産の譲渡等を行った者がその資産の譲渡等の対価として取得したものを除きます。)の譲渡についても、その譲渡に係る対価の額の5%相当額を資産の譲渡等の対価の額に算入できることとなりました。
適用期間
平成26年4月1日以後に行われる金銭債権の譲渡について適用されます。