2016年8月号
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税理士法人さくら中央会計
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かけはし 2016年8月号
経営に"メリハリ"をつけよう
日々の経営の中では、利益獲得のために様々な活動をおこなわなければなりません。取引先との営業活動、広告宣伝、仕入や経費の支払・・・非常に多くのことに対応しなければならず、その対応だけで多くの日々の業務は過ぎていきます。ただし、これらの日々発生する業務に対応するだけでは、経営の現状は変わることもなく、多分5年後も同じような収益状況が続くものと思われます。経営を伸ばすためには、社員や資金などの企業が有する財産を有効に活用し、力を入れるところには力を入れ、労力をかけなくても済むところは極力カットすることが必要です。
1,000円カットハウスに学ぶ、経営のメリハリ
ほとんどの方が髪のカットのために床屋や美容院を利用されるでしょう。床屋を例にとると、その内容は髪のカットだけでなく、洗髪、ひげそり、更にはマッサージまで多くの作業が含まれています。そして、作業の最中には顧客と話をし、良い雰囲気づくりにも気を使わなければなりません。そういうサービス体系が出来上がっているから、一旦通いだして定着すると、特別なことがない限り他店に移るということはありません。
それに対し、同じ床屋(法律的には美容院の部類に入るかもしれませんが、)でも急速に業績を伸ばしているところが1,000円カットハウスです。
20分1,000円という低価格であり、内容はカットオンリー。ひげそりも無ければマッサージも無し。
ついには、おしゃべりも無し という内容です。
子供や中高年の男性など、価格が安く、髪のスタイルを気にすることも余りなく、とにかく伸びた髪の毛を綺麗にカットできればOKという方にはベストな床屋です。上伊那地域でも順番待ちをしている様子を目にすることがあります。
制約条件に捉われない 発想 が大切
1,000円カットハウスが伸びているとは知りながら、多くの既存の床屋は業種転換ができません。それは理容師の法律がからんできたり、既存の顧客へのサービスと異なってくるからです。「今のお客様に迷惑がかかる。」という理由で、現状の床屋をやり続けるしか方法がないと考えてしまうのです。しかし、既存の業態から抜け出せないでいると、同業他店との差別化ができず、いつまでたっても既存のお客様に既存のサービスを提供し続けるだけで、数年たっても内容は同じ。業績もアップせず、人口減でじり貧状態ということが目に見えてきます。
力を入れるところには徹底して力をいれ、カットできる部分は極力カットする。そのようなメリハリ発想で自社の業務を見直せば、あなたの業種での「1,000円カットハウス」が発見できるかもしれません。
比較してみる
今年3月に出版された本ですが、「現場が動き出す会計」(伊丹敬之、青木康晴著 日本経済新聞社)を先月読みました。大学教授の書いた本ですが、堅苦しくなく、どちらかというと読みやすい本です。
ある章では、日本電産と三協精機の事例が紹介されて地元の話題として面白く読めます。日本電産と三協精機の事例は、最近読んだ、他の本でも取り上げられており、経営に関して、全国でも注目を集める事例のひとつであることがわかります。6Sの取り組みが会社の業績に与える影響について書かれています。
この本の副題には、「人はなぜ測定されると行動を変えるのか」とあります。この本が会計の類書と違い面白いのは、管理会計のテキストでありながら、全体を通じて、「人間とはどういう存在」か、を経営者が日頃から考えることの重要性を説いているからだと思います。
「現場想像力がないまま目新しい経営手法・業績指標を取り入れたところで「仏作って魂入れず」的な経営しかできないだろう」とあり「現場想像力に乏しい人は、不用意に現場にマイナスの影響を与えてしまいがちである」とあります。
「人々が共同で仕事をしている現場には、カネだけでなく、常に感情が流れている」という言葉は、当たり前のことですが忘れがちのことでもあります。従業員の声なき声に気付かないで、間違った浅い対応をとらないことが大切です。
表題に対する回答は、ここでは書きません。
ハードカバーの厚い本ですが、目次の中から興味のわいた項目のみ読んでみるだけでも面白いと思います。
笑顔を景品に !!
商売(仕事)をしていると、大勢の中には、人柄の良い人 と キツイ人 もいる。
けれども、どんな人でも、大勢の中から 当社を選んで来てくれた人は 有り難い大切なお客様 である。
お客様の批判ばかりしていては 商売にならない。
時には 我慢も必要になるわけだ。
近江商人の 「商売の十訓」 の 中にも
「紙一枚でも 景品はお客を喜ばせる。
つけてやるものが無ければ 笑顔を景品にせよ。」
という 教えもある。
人間の感情は話し方、聞き方にも素直に顔にも現われるものだ。
だから、家庭的に面白くないことがあれば 顔や態度にあらわれて、関係の無いお客様に対しても不愉快な言動をするようになり、そのお客様は当社から離れてしまう。
人間は、感情の動物と言われるけれども、お客様は神様という人もある位だ。 笑顔を忘れずに!!
クラウド会計ソフトで会計が身近な時代に
Freee、MFクラウド会計といったクラウド会計ソフトが今注目を浴びています。
クラウド会計ソフトとは、パッケージ形態(CD、DVDなど)ではなく、インターネットを通じて提供される会計ソフトのことです。
これまでの会計ソフトでは
パソコンやソフトの使い方のスキル、経理知識が必要なのはもちろんのこと、ソフト代金と年間保守料で維持費がかかるため、導入はハードルが高いものでした。
クラウド会計ソフトを使うと、これまでの常識がガラリと変わります。
小規模事業者や企業で導入することで、より大きなメリットが得られると思います。
ただし、すべての会社が導入すればすぐに効率化できるとは言い切れません。現金取引中心の企業や手形、小切手取引が多い場合など、自動取込をうまく使えないとあまり恩恵を受けられない可能性もあります。ネットバンキングやクレジットカード、電子マネーを使うように、自社のやり方をクラウド会計に合わせていくことも必要になってきます。
また、インターネットバンキングを使った金融犯罪が近年増加しており、セキュリティに関しては不安もあります。クラウド会計ソフトもIDとパスワードがわかってしまえばどこからでも接続できるため、不安は残ります。
しかし、自動取込機能は入力作業自体がなくなることから、会計事務所の仕事の根本を揺るがすほどの変革になると注目されています。この流れが今後ますます進むことは間違いないでしょう。
弊社はFreeeの認定アドバイザーです。導入をご検討の際はご連絡ください。