税理士/長野県上伊那郡を拠点として活動する税理士法人さくら中央会計/宮田村、伊那市、駒ヶ根市

 

2021年7月号

 

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事務所通信

 

かけはし 2021年7月号

ちょっと知っておきたい“家族信託”

 

 令和元年11月現在、日本の人口1億2,618万人に対し、65歳以上の人口は3,591万人で高齢化率は28.5%に達しています。そして、高齢化率は今後さらに上昇します。

 高齢化で困ることには体力の衰えや記憶力の減退などありますが、一番困るのが“認知症による能力の減退”です。物事を極端に忘れる、忘れたことさえ自覚がない、物事の判断ができない、などの症状が現れ、日常生活にも大きな支障をきたす状態です。

認知症で起こるトラブル

 

 実際に認知症になった場合、日々の生活は介護施設等の支援を受けることとなりますが、生活以外に支障が起こることがあります。

 例えば、認知症の方がアパートを経営されている場合、入居の契約やアパートの修繕等の維持管理は当然のことながら本人が意思決定をしなければなりませんが、認知症故に契約等ができない事態が発生します。自身の財産管理も同様です。法律上、他人である子などが勝手に処分することはできません。

 また、他の事例として認知症の配偶者の今後の生活のために財産を残したいと思っても、配偶者が認知症で財産管理ができないケースも考えられます。

家族信託が一つの有効な方法です

 このような状況に対処するために考えられたものが“家族信託”です。信託とは「自分の財産を信頼できる人に託し、自分が決めた目的に従って管理や運用をしてもらう制度」をいい、その信託を家族間で行うことを「家族信託」といいます。

 上記のアパートの事例ですと、父親が認知症になる前に、アパートを相続させるであろう長男にアパートの維持管理や契約等の業務を委託し、長男はそれを受託し、アパートの家賃等の収益は父親が受け取るということを信託という制度を使って行います。

  つまり、家族信託は財産の所有者で財産管理を託す人(父親)を委託者、財産管理を託された人を受託者(長男)、そして託された財産から上がる収益を受け取る受益者(父親)から成る仕組みです。

今後広まっていくと思われます

 

 今までにも認知症の方の財産管理の方法として「成年後見制度」がありましたが、本人の財産管理を弁護士等の専門家が行うということで一部の方の利用に留まっていました。家族信託という言葉を初めて聞かれる方も多いかと思いますが、高齢化の進展と共に、その利用は今後広まっていくものと思います。

 ご家族で将来の高齢化や認知症が心配という方は、家族信託をちょっと勉強されたらいかがでしょうか。

 

 

経営者の手腕

 

 最近は、情報過多と言いますが、企業経済について新聞、雑誌、研修会、講演会等々、いろいろの話や意見が読み切れないほど配付されています。

 それらは結局は、一言でいうならば、経営者の経営能力(いろいろの力)と手腕を発揮するしかない、ということに尽きると思います。
そのあとは方法論です。

 経営方法についていずれの道を選ぶにせよ、同業者との競争が待ち受けています。その熾烈な生存競争に勝って初めて、自分の企業は生き残れるわけで、企業にとっての目標は永続的に生き抜いていくことであり、そのためにはどんな環境にも対応出来る逞しい組織を作ることが経営者の最大の役割であると思います。

 環境変化というチャンスに何度となく遭遇しても、そのチャンスを生かした企業こそが生き抜く最も適した企業と言えます。

だから将来が見通せないからと言って、只立っていても、事態は好転しません。

勇気を持って一歩を踏み出し、今、この瞬間から進化の道を歩み始めようではありませんか。

 

税務通信 〜2021年税制改正・延長〜 住宅取得等資金贈与の非課税措置拡充  

 

・子や孫への住宅取得等資金の贈与にかかる贈与税について上限1,500万円の非課税枠
 を延長
・合計取得金額1,000万円以下の受贈者については、床面積40u以上で適用可

 

 住宅取得等資金の非課税の特例は、父母や祖父母からの資金提供を受け、住宅を新築・増改築した場合、贈与税が一定額まで非課税になる制度です。

 2019年の消費税増税に合わせて3,000万円まで拡大された非課税枠は、2020年4月に1,500万円に縮小し、さらに2021年4月以降は上限1,200万円に引き下げる予定でした。今回の改正で上限1,500万円の非課税枠を2021年12月31日まで延長し、対象となる家屋の床面積要件については住宅ローン減税の特例に合わせて受贈者の合計所得金額が1,000万円以下の場合は40u以上240u以下と緩和されました(合計所得金額が2,000万円以下の場合は従来通り50u以上240u以下)。最大1,500万円以下の非課税枠が適用させるのは耐震・省エネ・バリアフリー住宅向けで、一般住宅の非課税枠は1,000万円となります(消費税率10%の場合の新築等)。

 また、非課税枠は贈与税の基礎控除である110万円と併用が可能なため、非課税枠が1,500万円となる住宅を購入する際は、最大で年間1,610万円まで贈与税がかかりませんが、申告は必要です。

 

適用時期 : 非課税枠の延長は2021年4月1日〜12月31日までの新築等
       床面積要件の緩和は2021年1月1日以後の贈与

 

住宅取得等資金贈与非課税の特例を受ける条件

 

受贈者

  • 贈与者の直系卑属(子や孫)であること
  • 贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であること
  • 合計所得金額が2,000万円以下であること
  • 自己の配偶者、親族などの一定の関係がある人から住宅用の家屋を取得したものではないこと
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をし、居住すること、など

 

建物

  • 新築、増改築ともに家屋の床面積が50u以上240u以下でその半分以上が受贈者の居住として 利用されること(受贈者の合計所得金額1,000万円以下の場合は40u)
  • 中古住宅の場合、築20年以内(耐火建築物は築25年以内)、もしくは一定の耐震基準を満たすこと
  • 日本国内の住宅用家屋であること、など

 

 

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