税理士／長野県上伊那郡を拠点として活動する税理士法人さくら中央会計/宮田村、伊那市、駒ヶ根市

　コロナ禍に振り回された令和3年でした。年末年始、これまでの変異株より感染力が強いとされるオミクロン株が全国で広がりを見せ始めていますが、11月頃から感染者が急減し、各種助成金の支給など、社会全体が前向きになりだした感があります。

　ただし、社会には様々な動きが目立つようになりました。私自身も様々な情報を得る中で、令和4年に経営者が気を付けておかねばならないと思われることをお伝えしたいと思います。

　昨年後半から、ガソリンが170円を超え、肉や小麦粉、油等の食料品の値上げ、建設資材や工業資材の高騰・・・まさに金額だけ見るとインフレ状態です。さらにそれらに円安が追い打ちをかけています。ただし、賃金は過去20年ほど同水準か値下がりです。

　すなわち現金の価値が目減りしている状態です。余剰資金があるならば金(gold)や不動産などを所有していた方が有利とも言われます。

　単に「モノが値上がりして困る」というだけでなく、インフレであることを明確に意識し、その背景や対処法を事前に学習しておくことが重要と思います。

　中国人が買い物で現金を持ち歩くことはほぼ無く、多くがスマホ決済ということはマスコミ等でよく見かける姿です。日本人にはまだまだ電子決済は普及していませんが。スマホ等の電子マネーは単に便利というだけでなく、国がその普及をもくろむ目的を知っておくことも大切です。

　電子マネーは取引の記録のすべてがデータとして残ります。ということは脱税がやりにくくなるということです。脱税の事例で「床下から現金がみつかった。」ということは電子マネーの世界では起こりにくくなります。

　令和5年に始まる消費税のインボイス制度もそれに関連してくるかもしれません。インボイス番号を請求書に記載しなければならなくなりますから、架空の請求書などは一発で見分けられる可能性が高くなります。

　令和2年のコロナ対策費は73兆円、令和3年は55兆円、一年間の国家予算が約107兆円ですので、如何に多額のお金がコロナ対策につぎ込まれたかが明白です。これらはすべて国債という借金で賄われています。
　国はこの借金の返済をどうするのでしょうか。消費税の値上げなどでは、とても追いつかない金額です。1%上げても2兆円程度です。税金を値上げしたら、ただでさえ苦しい国民生活がさらに冷え込み、景気が悪くなるのは明白です。

　上記のインフレの話で借金はお金であって物ではないので値上がりしません。このあたりを踏まえて「ガラガラポンの時代」がやってくるかもしれません。ある経済評論家は「3年後に不況が訪れる」と著書で述べています。不況が来るかどうかは私にも分かりませんし、経営者の方々を不安に陥れるつもりはありません。
　ただし、そのような時代がやってきたらどうするか？ということを少しは事前に考えておくことは大切です。もし、本当にそういうことが起きたら、対処法を考えておいた方が絶対に安心です。
　それ以外にもお伝えしたいことがありますが、紙面の都合上、これくらいにしておきます。何かご質問やお困りのことが合ったら、是非ご連絡ください。

　令和4年も決して平安な年ではないことが予想されますが、皆で知恵をだして頑張っていきましょう。

　今年もよろしくお願いいたします。

　昨年はコロナに始まりコロナにおわり、コロナに振り回された一年でした。

　建設業や製造業などの一部の企業では大きな利益を上げているところもありますが、大半の我々中小企業は今ドン底で苦しんでいます。

一方で政府は多額の借金を抱えながらも、大きなコロナ対策予算をつけて景気回復に懸命です。

　それは、単に日本のためばかりでなく、東南アジア、米国、欧州、延いては世界中が日本の景気回復を期待し注目しています。

　評論家は好き勝手なことをいろいろ言っていますが、評論家の言う通りになったこともないのも事実です。

　私は『令和4年は期待する年』だと思います。というのは、政府の手の打ち方は大盤振る舞いですし、その効果は徐々に出てくると思います。もし、効果が出ずに、このまま推移するようであれば、中小企業は参ってしまうし、中小企業が参れば日本国が参ってしまいます。

　今、私たちの大地は厳しく凍り付いていますが、春ともなれば氷も解け、フキノトウや福寿草も芽を出してくるでしょう。そして4月5月になれば色々な花が咲きます。

　そんなことを経済面でも期待しています。

　皆様のご健闘を祈念しております。